自分探しの森
弱い人間を食べてはいないのか？
弱い人間を蹴落とし、欲求を満たしていないのか？

自分を満足させる何かをしているとき、優越感を感じていないか？
報酬をもらうことで満足していないか？

「君は面白い人だね。」
一瞬でてきたもう一人の私は、上半身だけになり下半身は消えていた。

コウモリは当然消えていた。

何が正しいかは分からないが、自分がしたいことは、他人より上にたつこと？
それは自分だけなのか？
それとも世に言う成功者はそういう考えを持つものなのか？

私は仮説を立ててみた。

私が自分を見つける方法が他人を蹴落とすこと・・。
ならば、何をすれば蹴落とせる？

・・・ないのではないか？
だから自分を見失っているのではないか？

・・・これからも？

「元に戻っちゃったね？」

もう一人の私とコウモリがはっきりと目に映った。

私は黙った。

「君、諦める？」

私は返事が出来なかった。

「所詮、君はそんなもんなんだよ。自分なんて見つけられない。とんだお笑い草ってやつだな。自分を特別な人間だなんて思い込んでるだけで、平凡さ」

私は怒りがわいた。

「ふふ、まだ希望があるじゃないか、怒れるなんてさ。」

その私はまたしても消えた。

確かに怒りがわいただけましかもしれない。
なぜ私は怒った？

平凡と言われ、何もできない人間と言われたからなのか？

何が出来る？
私に・・。

・・・そのまま、私はその場でいつしか寝込んでしまった。
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表紙・目次

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