夕方の縁側
孫は、夏の暑さの話題から、おじいちゃんの頭皮の問題にまで発展させてきた。


確かにおじいちゃんの髪は薄かった。

薄毛には、主に2パターンある。

(1)<前方から禿げる>パターン
(2)<頭頂部から円状に禿げる>パターン

おじいちゃんは後者の(2)であるのだが、おじいちゃんの場合は、<ハゲ>の侵食が頭頂部から前頭部にまで進行して、髪全体を<ハゲ>という魔物が蝕んでいた。

要するに、おじいちゃんは、ハゲ完成形に近かった。


「髪の毛が薄いからといって暑さが和らぐわけではないぞ」

「そうかな。髪の毛を短くするとやっぱり風通しはよくなるから、僕よりおじいちゃんの方が涼しいはずだよ。」

ムムム、、、

おじいちゃんは、この強硬なハゲ支持派の子供に対し、大人の貫禄を見せ付けることを決めた。

「よいか。髪の毛というのは、太陽からの直射日光を避けるという利点もあるのじゃよ。だからおじいちゃんのように髪の毛が少ないと、太陽からの光を直にくらうことになるじゃろ?」

「・・・。うん」

「そうすると、いくら風通しは良くても、太陽からの攻撃をもろに食らうことになるわけじゃから、結局暑いことには変わらんのじゃ。」














< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop