夕方の縁側
「ふーん。そうなんだ。」

『おっ?!意外に物分りがよいの。やっぱり子供じゃな。』

納得したそぶりを見せた孫に安堵したおじいちゃんだったが、孫の反撃はまだ続いた。


「でもここは縁側で、直射日光は当たらないから、やっぱり禿げてるおじいちゃんのほうが涼しいはずだよ。ずるい!!」


・・・・


確かに縁側に直射日光は当たっていなかった。

孫の言うとおり、自分の方が涼しいのかとも思え始めたが、おじいちゃんは引かずに、最終兵器を持ち出すことにした。



「要するに、お前も涼しくなりたいのじゃな?」

そう言うと、おじいちゃんは、一冊のアルバムを持ってきて孫に見せた。



「これがお前の曾おじいちゃん。これがわし。これがお前のお父さんじゃ。これを見て何か共通することがあるじゃろ?」

孫は少し顔をしかめたが、すぐに何かに気付いたようだ。

「あっ!みんな禿げている!!」

「そうじゃ。みんな禿げてるってことは、どういうことだ?」

「どういうことって?」


















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