いつか私は鳥になる
春休みに買ってもらった革靴は履き慣れてないからか若干窮屈だった。
足の裏あたりがズキズキ痛む。
革靴を脱いで少しリラックスした足を少しほぐして再び入学前のオリエンテーションで購入した学校指定の内履きを履いた。
…やっぱりこれもきついな。
革靴を下駄箱にしまい、自分の教室に向かった。


−一年二組−

教室は扉を開けなくても分かるくらいガヤガヤにぎやかで正直ウザかった。
お前ら本当に新入生か?
入学式くらい静かにしろし…。
若干イライラして扉に手をかけた。

−…ガラッ!…−

勢いよく扉を開けたら教室が一瞬のうちに静かになってみんなが私に注目していた。

…ちょっと…やりすぎちゃったかな…?

そんな私の心配もつかの間、みんな何事もなかった感じでまたそれぞれの雑談に集中した。
私はホッと息をはいて適当に空いている席に腰かけた。
一番後ろの窓際の隣。
本当は窓際が良かったけど残念ながら先約済み。
これから始まる入学式や高校生活のことを憂鬱に考えながら、私は一人ハァ…とため息をついた。
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