バンビ
エイジ
いつもの教室の一番前の窓際の席、俺は外をぼんやり眺めていた。
家から近いからという理由だけで、何となく入った高校。
入学してからひと月もたつというのに、まだ友達だっていやしない。
今日はぼんやりとした曇り空で、窓ガラスには薄っすらと自分の姿が映っている。
無造作にスプレーで立ち上げた黒髪を気にしながら、昼休み弁当を食べていた。
学校なんてくだらないとか思っていたけど、結構勉強は好きなほう。
むしろ、趣味の合わない奴らと無駄話してるよりは、先生の授業を聞いてる方がなんぼかましだった。
今夜は、お気に入りのバンドのライブが新宿である。
ライブハウスに行けば、気の合う仲間だってたくさんいるし、別に学校で友達なんかいなくたってへっちゃら・・・
今夜はどんなTシャツを着ていこうか?
そんなことを考えていたら、うちのクラスの野球馬鹿に声をかけられた。
「ねえ、高橋君ってさ、もしかしてPUNKとか好きだったりする?」
人懐っこいそいつは、甲子園に行きたくてこの高校を選んだとか言ってたな・・・
初めて声をかけられて、ちょっとビックリして、ああと無表情で答えていた。
「どんなの聞くの?僕もさーけっこう好きなんだよね、サマソニとか毎年行ってるし・・・」
「俺はそんなでっかいフェス系のはいかねーもん。
もっぱら、ハードコアと初期パンク専門。」
へえ・・・っていいながら、弁当一緒に食べて良いかと聞いてきたので、好きにすればってそのまま何となく奴を受け入れていた。
そういえば、こいつの名前なんだっけ?
確か・・・なんか有名人と同じ名字。
「えっと、二宮だっけ?お前どんなの聞いてるの??」
野球ばっかりやってるわりには、華奢で小柄なそいつが、PUNKなんて聞くようには思えなかった。
ちょっとOiPUNKくさいにおいはするけども(坊主ってだけだけどな)
「僕は、スカコアとかメロコアっぽいのかな?レゲエとかも好き。
高橋君みたいな趣味の人には、邪道かもしれないね。」
そう言って笑う奴の笑顔は、なんかジャニ系のアイドルみたいで、ちょっとドキリとさせられた。
家から近いからという理由だけで、何となく入った高校。
入学してからひと月もたつというのに、まだ友達だっていやしない。
今日はぼんやりとした曇り空で、窓ガラスには薄っすらと自分の姿が映っている。
無造作にスプレーで立ち上げた黒髪を気にしながら、昼休み弁当を食べていた。
学校なんてくだらないとか思っていたけど、結構勉強は好きなほう。
むしろ、趣味の合わない奴らと無駄話してるよりは、先生の授業を聞いてる方がなんぼかましだった。
今夜は、お気に入りのバンドのライブが新宿である。
ライブハウスに行けば、気の合う仲間だってたくさんいるし、別に学校で友達なんかいなくたってへっちゃら・・・
今夜はどんなTシャツを着ていこうか?
そんなことを考えていたら、うちのクラスの野球馬鹿に声をかけられた。
「ねえ、高橋君ってさ、もしかしてPUNKとか好きだったりする?」
人懐っこいそいつは、甲子園に行きたくてこの高校を選んだとか言ってたな・・・
初めて声をかけられて、ちょっとビックリして、ああと無表情で答えていた。
「どんなの聞くの?僕もさーけっこう好きなんだよね、サマソニとか毎年行ってるし・・・」
「俺はそんなでっかいフェス系のはいかねーもん。
もっぱら、ハードコアと初期パンク専門。」
へえ・・・っていいながら、弁当一緒に食べて良いかと聞いてきたので、好きにすればってそのまま何となく奴を受け入れていた。
そういえば、こいつの名前なんだっけ?
確か・・・なんか有名人と同じ名字。
「えっと、二宮だっけ?お前どんなの聞いてるの??」
野球ばっかりやってるわりには、華奢で小柄なそいつが、PUNKなんて聞くようには思えなかった。
ちょっとOiPUNKくさいにおいはするけども(坊主ってだけだけどな)
「僕は、スカコアとかメロコアっぽいのかな?レゲエとかも好き。
高橋君みたいな趣味の人には、邪道かもしれないね。」
そう言って笑う奴の笑顔は、なんかジャニ系のアイドルみたいで、ちょっとドキリとさせられた。
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