バンビ
ああやっぱりそうなんだ

聞き間違いじゃなかった・・・



そしてモモは、そいつのことも少しずつ話してくれた。

いままで知っていた同級生とかとは、ぜんぜん違う大人の雰囲気で、
いつも自然に接してくれて、
そしてなによりも、一番つらい時に、一緒にいてくれたこと。



「でもきっと、その人には好きな人がいるよ・・・」


モモはそうでしょ?って、まるで僕が良く知っているかのように、僕の顔をじっと見つめて同意を求めてきた。







「・・・エイジのこと?・・・好きなの?」


それだけ聞くと、モモは小さく頷いた。


「そっか」




それって、なんだかよく解る。

僕だって、奴に会ったとたん、なんだかわからないけど仲良くなりたいって、無性に思ったんだもん。

それは僕等の世界を、全部ぶっ壊してくれるんじゃないかって、そんなドキドキした魅力があったからかな?

やっぱりモモもそうなの?








僕は子供の頃にいつもそうしていたように、モモの頭をそっと抱き寄せて、大丈夫だよって伝えた。

きっと、その好きって思いが恋ならば、きっと辛い恋になるだろうけど









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