バンビ
しばらくして、うちの母さんも加わり、なんだか大人たちで盛り上がり始めたので、俺はレンにつれられて奴の部屋に行った。


母さんは、前々からここに来たいって言ってたみたいで、りんさんともそんなことを話してたらしいから、妙にみんなとも意気投合してやがる。

それにしても、そろそろ締め切り間際じゃねーのかよ・・・こんなとこで遊んでんじゃネーとか思ったけど、そういうときに限って飲みにいったりすることが多いから、いつものことっちゃそうなんだが。



「やっぱ、みちるさんって面白いなー」

レンは笑いながら、パソコンを開いて適当に音楽を流した。



やたら軽くて早いだけのメロコア。

こんな曲俺はあんまり好きじゃないけど、レンは俺が聴く様な重いパンクより、こういうポップなのが好みだ。


別に人の好みだから、否定する気はない。
やたら文句言うパンクスも多いけどな。




そういや、モモはどうしたんだろう?
自分の部屋にでも行ったのか?


「そういやモモは?」


「ああ、後でくるんじゃない。あとかたずけしてたから。」




なんだ、こっちにくるんだ。


「お前らホント、仲いいな。」



やっぱり一人っ子の俺としては、気軽に男兄弟の部屋になんか入ってくる妹とかがうらやましかったりもする。





< 159 / 266 >

この作品をシェア

pagetop