バンビ
なんだか、今日は調子が狂いっぱなしだな・・・

ぼんやり、リンダの後姿を見つめていたら、隣のレンにまた腕をつつかれた。




「ねえ、リンダさんって、エイジの好きな人?」

ニヤニヤしながら、ずばりそういわれたけど、ちげーよって思いっきり否定してしまった。



「ふーん、やっぱそうなんだ…もうやっちゃったでしょ?」


俺のいうことなんか、ぜんぜん信用しないで、どんどんレンは突っ込んで話してくる。


「ななななにいってんだよ!!しらねーよ・・・」


ちょと噛んで答えてしまうと、やっぱそうなんだって、余計ニヤニヤしてレンは笑った。



「いいなー僕も好きな人できないかな・・・
まだやったこと無いんだよね。」


「まあお前ならそうだろうな。童貞くさいし。」


はにかむレンにそういってやったら、やっぱやったんだってまたニヤけられた。



「僕の幼馴染でさ、12歳の頃にやったとかいう奴がいるんだけどさ、ぜんぜんよくなかったんだって・・・」


そんなもんなの?って急にきかれて、それは人それぞれなんじゃないの?って俺は思わず真剣に答えてしまっていた。


なにマジトークしてんだ、俺ってば。





リンダとのことなんか、人に話した事無かったのにな・・・


なんていうか、ずっと秘密にしておきたいっていうか、なんていうか。




レンは、今日はじめて話したとは思えないほど、ずっと友達だったような気がして、自然に心を許しまっていた。


ホント、不思議系な、癒し系な、面白い奴・・・




そんなことを考えながら、またリンダが戻ってこないかなって、そればかり気になっていた。




「エイジはさ、リンダさんといつ頃会ったの?」


ぼんやりと二人で、母さんとリンダが楽しそうに話してる姿を見ながら、俺たちも何となく話しつづけていた。


「中2の頃だから、もう2年前だな・・・」


ふーんって、ぼんやりとレンは答える。



そういえば、初めてリンダと会ったのも、ここだったんだよな…
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