バンビ
体を重ねるごとに、お互いの息遣いしか聞こえない。

余計な事は何も言わず、肌で感じあっていたかったのかもしれない。
それだけでよかった。言葉なんていらなかった。

こんなに長い前戯は初めてだ どれくらいそうしていただろう



「オネガイ・・・」

ふと彼女がつぶやいた言葉はそれで、それだけでどうして欲しいのかわかった


「ちょっと待ってて・・・」

ほんの少しだけ離れて大事なものを探すと、それを破いて装着する。


「痛かったら言えよ・・・」

何度目かのキスをしながら、ゆっくりと彼女の願いをかなえてやる。




ほんとにこいつは初めてなのか? 一瞬頭をよぎったけれど、そういえば初めての女とした事がなかったのだから、どれが正解なのかはわからない。


そんな事はどうでもいいんだ・・・


ただひとつになったとたんに、さっきまでの余裕は吹っ飛んでいた、やっぱり無理だこれ以上は・・・



上気してる女性は、とても綺麗だと、




うっすらとあいたモモの瞳を見つめながら、たまらなくなって初めてのそれは終わった。



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