バンビ
終電ギリギリになっていた頃、電車のなかで携帯の電源をいれてチェックすると、モモからのメールが凄いことになっていてビビった。

一言づつ怒りのメールになってるのが、だんだん読んでいて笑いそうになってしまったけど、きっとあっちは笑い事じゃないんだろうな。



“ごめん、友達と飲んでてメールに気付かなかった、帰ったら電話する。“

それと、友達は男だってことも忘れずにいれてレスをすると、速攻わかったって返事が来た。



自宅に帰ると、母さんは部屋で籠って仕事をしているようなので、邪魔しないように静かに自室にはいる。



さっきのメールでは、日曜日空いてるかって内容だったから、どうするかなぁなんて考えながらモモの番号を押していた。



「もしもし…」

ワンコールで出てはくれたものの、しばらく無言でいる。


「遅くなってごめんな」

なるべく優しい声で話す。


「ほんと、遅いよ…」

ちょっと涙声になっているのがわかって、思わず笑ってしまった。


「そんなことぐらいで泣くなよ。」

そういってやると、泣いてないよって今度は怒るのでまた笑いそうになる。



「もう、笑ってるでしょう!」


そうやって拗ねる声を聞いて嬉しくなる、愛しくてたまらなくなる。



「なあ、明日どうする?」




もちろんすぐにでも会いたいのだから、待ち合わせは早い方がいいよな。



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