バンビ
Papa Don't Preach
明日から夏休みだな。
終業式が終わると、まっすぐにモモを迎えにいく。
しばらくはもう迎えに行かなくていいんだなあなんて思うと、ちょっと寂しくなったり、会える口実がなくなるからどうしようかな、なんて思う。
いつものようにモモと一緒に電車に乗っていると、
「久しぶりにうちに来ない?」
なんて誘ってくれた。
昼間っからあのおっさんたちが宴会してることなんてないだろうからな、久しぶりに行こうなって思った。
初めて手を繋ぎながらモモんちの花屋まで向かう、そういえばちゃんと付き合ってるって報告してないんだったな、りんさんとかには。
「あら、エイジ君久しぶりね。いつもありがとね、桃を送ってくれてたんでしょ?」
挨拶をしながらいつものように店に入ると、りんさんはもうすでに知ってたみたいで、そんな風に言ってくれた。
「あモモ、今日はかずなりくん居るから、ちゃんと話しなさいね。」
ん?誰が来てるんだろうって思ったら、モモがその場で固まったまま動かなくなった。
「なあ、誰のこと?」
そうたずねると「お父さん」と答えて大きく溜息をついた。
ああ、そういえば下の名前はそんなだったなって思い出す。
っていうか、レンやモモは呼び捨てなのに、夫は君付けなのな。
普通逆だろうって思ったけど、そういったところもりんさんらしいなってちょっと思う。
モモは入りずらそうにそっと居間に入って、小さくただいまというと、テレビの前で丸まってるその人は振り向きもせず「ああ、おかえり」って答えていた。
「こんにちわ。」
そう声をかけると、モモはびっくりしたように俺の顔を見るので、何でだよって思う。
その人も、びっくりしたように振り返った。
「えっと、彼氏のエイジ君です。」
モモが言いずらそうにそう紹介してくれるから、初めましてって答えると、しばらくじっと目があったまま一瞬固まって、またテレビの方に向き直ってゲームを続けていた。
えっと、これは無視されてんのかな?
モモが俺の手を引っ張りながら、上の部屋に行こうとするから、そのままついていこうとすると、急に「ちょっと待て。」って俺の方にもう一度向き直って、その人は低い声で言った。
「モモこら、なにやってんだ。一緒に行くんじゃないよ、お前はそこに座ってろよ。」
ああ、2人きりで部屋に行くなってことかな。
まじまじとモモの父さんの顔を見ると、いつもドラマとかで見てるのと同じなんでなんかわくわくした。
「ヤベー本物だ。」
思わず心の声が漏れる。
終業式が終わると、まっすぐにモモを迎えにいく。
しばらくはもう迎えに行かなくていいんだなあなんて思うと、ちょっと寂しくなったり、会える口実がなくなるからどうしようかな、なんて思う。
いつものようにモモと一緒に電車に乗っていると、
「久しぶりにうちに来ない?」
なんて誘ってくれた。
昼間っからあのおっさんたちが宴会してることなんてないだろうからな、久しぶりに行こうなって思った。
初めて手を繋ぎながらモモんちの花屋まで向かう、そういえばちゃんと付き合ってるって報告してないんだったな、りんさんとかには。
「あら、エイジ君久しぶりね。いつもありがとね、桃を送ってくれてたんでしょ?」
挨拶をしながらいつものように店に入ると、りんさんはもうすでに知ってたみたいで、そんな風に言ってくれた。
「あモモ、今日はかずなりくん居るから、ちゃんと話しなさいね。」
ん?誰が来てるんだろうって思ったら、モモがその場で固まったまま動かなくなった。
「なあ、誰のこと?」
そうたずねると「お父さん」と答えて大きく溜息をついた。
ああ、そういえば下の名前はそんなだったなって思い出す。
っていうか、レンやモモは呼び捨てなのに、夫は君付けなのな。
普通逆だろうって思ったけど、そういったところもりんさんらしいなってちょっと思う。
モモは入りずらそうにそっと居間に入って、小さくただいまというと、テレビの前で丸まってるその人は振り向きもせず「ああ、おかえり」って答えていた。
「こんにちわ。」
そう声をかけると、モモはびっくりしたように俺の顔を見るので、何でだよって思う。
その人も、びっくりしたように振り返った。
「えっと、彼氏のエイジ君です。」
モモが言いずらそうにそう紹介してくれるから、初めましてって答えると、しばらくじっと目があったまま一瞬固まって、またテレビの方に向き直ってゲームを続けていた。
えっと、これは無視されてんのかな?
モモが俺の手を引っ張りながら、上の部屋に行こうとするから、そのままついていこうとすると、急に「ちょっと待て。」って俺の方にもう一度向き直って、その人は低い声で言った。
「モモこら、なにやってんだ。一緒に行くんじゃないよ、お前はそこに座ってろよ。」
ああ、2人きりで部屋に行くなってことかな。
まじまじとモモの父さんの顔を見ると、いつもドラマとかで見てるのと同じなんでなんかわくわくした。
「ヤベー本物だ。」
思わず心の声が漏れる。