バンビ
炎天下の空の下、まぶしいぐらいのイケメンの２人組みが出てくる。


結構曲は、ハードなロックテイスト。
意外なことに英語の歌詞で、アイドルがこんなの歌うんだってびっくりする。



ビトはやっぱり完璧な歌唱力で、英語の発音もネイティブだった。


「スゲーな、ビトって。」


隣のアキラも、会場を盛り上げるのが上手で、口下手なビトの代わりにファンの女の子とコール＆レスポンスも完璧にこなしている。


カオリンとレンは、最前列の方にいるらしく全然見えなかったけど、きっと盛り上がってんだろうな。



「じゃあラスト！」


アキラがそういってゲストを呼ぶと、いきなりＢａｂｙが出てきて一気に会場がざわついた。


それに気がついた人たちが一気に押し寄せてきて、俺たちがいる後ろの方も人でギュウギュウになった。


俺は慌ててモモを抱きしめると、人に飲まれないように少し後ろに下がる。



三人が歌いだしたのは、ハイスタバージョンのMy first kiss だった･･･




その曲を聞きつけたパンクなお客も押し寄せてきて、アイドルのライブなのにモッシュが始まる。


よく見るとバックで演奏しているのも、有名なパンクバンドのメンバーだった。




「スゲーなあいつら、ちゃんと盛り上げ方知ってるな。」


思わずダイブしたくなってうずうずしていると、レンが最前列で持ち上げられてんのが見えた。





「ヤベー俺も行きたい･･･」


思わずつぶやいてしまったけど、モモと２人でそうするわけもいかなくて、もう一度強く手を握り締めていた。










< 241 / 266 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop