バンビ
ノスタルジア
サマソニが終わって、俺たちは近くのすげえホテルに泊まっていた。
べべが毎年とってくれて、モモやレンは毎年泊まってるらしい。
レンと二人のツインルームだったけれど、いつのまにかモモやカオリンの他にビトとアキラもやってきて、みんなで打ち上げがてらピザを食べたりしていた。
ビトはモモと話があるらしくて、ちょっと離れたところで二人で話している。
こういう風景を見るのは、初めて出会ったとき以来かもしれない。
あの時と似てるのにちょっと違う。
ただ羨ましいと羨望の眼差しで見ていたあの時より、今はただの焼きもちだ。
モモが静かに笑っているのがどうしても見えて、早く終わらせてくんねーかなと思う。
俺、結構心が狭いからな。
飲まなきゃやってられないと思ってたところに、カオリンがビールをくれたのでほっとして二人で飲んでいた。
レンがアキラとサマソニのHPがどうとか話をしているけど、全然耳に入ってこなかった。
モモとビトがなんの話をしているのか気になりすぎて、そっちに集中しちまってる。
全然聞こえねーけど、相変わらずカオリンがうるさいし。
二人の間には、五センチぐらいの微妙な隙間があって、そこがちじまりゃしないかと気が気ではない…
レンがうちの野球部の話をしてるので、聞いたふりして会話に入った。
「レンも有名人だかんな、学校でも人気あるし。」
そういってやると、カオリンが知らなかったのかビックリしている。
「毎週誰かにコクられてたもんな、お前。」
ついでにそんなことも話すと、彼女には隠していたのか、マジに怒りだすから面白い
「別に全部断ってんだから、かんけーねーじゃん!」
お前もベラベラ余計なことモモに言うクセになってそんな風にいってやったら黙ってしまった。
一応反省はしてるみたいだ。
「昔の事なんて知らなくていいんだよ。言うタイミングが来たらちゃんと言うし。」
出来ることなら、リンダのことはモモには知られたくはなかった。
モモはレンから聞かされて、付き合う前から知ってるっぽくて、なんだかもやる。
せめて、普通に付き合って別れたとかならよかったのにな、俺たちは中途半端だ。
あんなに近くにいたのに、何も話してこなかったのだから。
「あのさ、エイジ君にお願いがあったんだけどさ…」
「なんだよ急に。」
カオリンが珍しく、トーンを落として俺に話し出すので、何事かと思った。
「リンダちゃんに会ってくれないかな? 約束したんだ、私がエイジ君つれてくるって。
ちゃんと話して、ちゃんと別れてあげて…」
いつのまにか、カオリンはリンダと仲良くなってたのか、俺は知らなかった。
「俺はもう会いたくない。」
もうこのまま自然に終わっていけばいいと思っていた、あいつに会うとまた未練が甦りそうで怖い。
モモだってきっと不安になるに決まってる。
「そんなこと言わないでよ…」
カオリンがなぜか泣きそうな声で言うので、困る。
「なに?その人ってエイジの元カノなの?」
状況を知らないアキラにそう聞かれて、反射的に違うよって答えていた。
「俺が勝手に好きだった人だよ。だから、始まってないものには終わらせる必要もないだろ。」
ビトにはハッキリとセフレって言われたななんてぼんやりと思い出して、無償に悲しくなった。
べべが毎年とってくれて、モモやレンは毎年泊まってるらしい。
レンと二人のツインルームだったけれど、いつのまにかモモやカオリンの他にビトとアキラもやってきて、みんなで打ち上げがてらピザを食べたりしていた。
ビトはモモと話があるらしくて、ちょっと離れたところで二人で話している。
こういう風景を見るのは、初めて出会ったとき以来かもしれない。
あの時と似てるのにちょっと違う。
ただ羨ましいと羨望の眼差しで見ていたあの時より、今はただの焼きもちだ。
モモが静かに笑っているのがどうしても見えて、早く終わらせてくんねーかなと思う。
俺、結構心が狭いからな。
飲まなきゃやってられないと思ってたところに、カオリンがビールをくれたのでほっとして二人で飲んでいた。
レンがアキラとサマソニのHPがどうとか話をしているけど、全然耳に入ってこなかった。
モモとビトがなんの話をしているのか気になりすぎて、そっちに集中しちまってる。
全然聞こえねーけど、相変わらずカオリンがうるさいし。
二人の間には、五センチぐらいの微妙な隙間があって、そこがちじまりゃしないかと気が気ではない…
レンがうちの野球部の話をしてるので、聞いたふりして会話に入った。
「レンも有名人だかんな、学校でも人気あるし。」
そういってやると、カオリンが知らなかったのかビックリしている。
「毎週誰かにコクられてたもんな、お前。」
ついでにそんなことも話すと、彼女には隠していたのか、マジに怒りだすから面白い
「別に全部断ってんだから、かんけーねーじゃん!」
お前もベラベラ余計なことモモに言うクセになってそんな風にいってやったら黙ってしまった。
一応反省はしてるみたいだ。
「昔の事なんて知らなくていいんだよ。言うタイミングが来たらちゃんと言うし。」
出来ることなら、リンダのことはモモには知られたくはなかった。
モモはレンから聞かされて、付き合う前から知ってるっぽくて、なんだかもやる。
せめて、普通に付き合って別れたとかならよかったのにな、俺たちは中途半端だ。
あんなに近くにいたのに、何も話してこなかったのだから。
「あのさ、エイジ君にお願いがあったんだけどさ…」
「なんだよ急に。」
カオリンが珍しく、トーンを落として俺に話し出すので、何事かと思った。
「リンダちゃんに会ってくれないかな? 約束したんだ、私がエイジ君つれてくるって。
ちゃんと話して、ちゃんと別れてあげて…」
いつのまにか、カオリンはリンダと仲良くなってたのか、俺は知らなかった。
「俺はもう会いたくない。」
もうこのまま自然に終わっていけばいいと思っていた、あいつに会うとまた未練が甦りそうで怖い。
モモだってきっと不安になるに決まってる。
「そんなこと言わないでよ…」
カオリンがなぜか泣きそうな声で言うので、困る。
「なに?その人ってエイジの元カノなの?」
状況を知らないアキラにそう聞かれて、反射的に違うよって答えていた。
「俺が勝手に好きだった人だよ。だから、始まってないものには終わらせる必要もないだろ。」
ビトにはハッキリとセフレって言われたななんてぼんやりと思い出して、無償に悲しくなった。