バンビ
「わりー、うちの部屋防音設備あるから、うちのノリで聞いてたわ。」


あわてて音を絞り、レンに言い訳していた。



「ああ、気にしないでよ。
なんかデート邪魔されてるみたいで、イライラしてるんじゃないの?あいつ・・・」




ああそうか・・・ビトは彼女のうちに遊びにきてるんだもんな、
デートか・・・



「デートだったら、外に遊びに行けばいいのにな・・・
よく親兄弟のいる家とかに、遊びに来れるよな。」



こんな、みんないるようなとこじゃ、やりたいことも出来ないだろうに。



「しょうがないよ・・・
あいつら外で一緒にいると、ビトのファンの子に見つかっちゃうから。
それに、家族ぐるみの付き合いだしね。」


レンは、二人に同情しているかのように、そう話しつづけた。


「中学の時とかは、酷かったんだよ。
モモがビトのファンの子に色々嫌がらせうけたりして・・・
最近は、公認の仲みたいになってきて、落ちついてきたみたいだけど。」


トップアイドルだと、色々大変なんだなって、よくわからないけどそうなんだって、何となくきいていた。




「なんかモモってさ・・・」


ちょっと間をおいてつづける。


「可愛いよな。俺、気に入ったかも?」




「いきなりなんだよ!?」

レンはちょっとビックリした感じだった。


「エイジは、リンダさんがいるじゃん。」


それとこれとは別って、思わず笑っていった。

だって、別にリンダは彼女じゃねーもん。




「なんか面白そうだよな・・・」


そういえば、リンダ以外の女に、初めて興味を持ったのかもしれないな?

なんとなく、不思議な感じがしていた。



それがこれから、ものすごーくめんどくせーことに繋がっていくとも気づかずに・・・
< 32 / 266 >

この作品をシェア

pagetop