バンビ
レンと二人で、なんやかんやいいながら、りんさんのレコードを片っ端から聞いていると、あっという間に時間が過ぎていった・・・


夢中で聞いていたら、いきなりモモがまたやってきて、

「晩御飯できたよ。」

それだけ言い残して去っていった。



やっぱちょっと機嫌悪そうだな。



レンは、もうしょうがねーなっていいながら、エイジもご飯食べてくでしょって言って、下の居間にまた戻った。




なんかさっきと雰囲気が違うなーって思ったら、人が増えてる!?

知らないおっさんが、二人いて勝手にそこで宴会をしていた。


「おおレン、友達もきてたのかー!まあこっちこいや。」

着物姿のなれなれしそうなイケメンのおっさんが、レンにそう呼びかけて俺たちを横に座らせた。



あっけにとられている俺に、
「こっちがカズ叔父さんで、向こうが叔父さんの友達の大野さん。」
って、レンは簡単に紹介してくれた。


「こいつね、僕のクラスメイトのエイジ。」

よろしくって言ったら、まあお前も一杯飲むかって、そこらにあったグラスにビールをついでくれた。

おお!!いい人だ!?



「ああーカズおじちゃん、未成年に飲ませちゃダメだよー」

台所でりんさんの手伝いをしていたモモが、そんな余計なことを言いやがる。

言い終わる前に、いっきに飲み干してやった。



「まあいいじゃん、ちょっとだけならさ・・・俺も高校生の時からガンガン飲んでたし。」


そのカズさんって人はりんさんの弟らしく、やっぱりどこか似た雰囲気がある。

もう一人のおっさんは、そんなカズさんの話を聞きながら、相槌を打ってニコニコしていた。



あれ?ビトはもう帰ったのかな?
なんて思っていたら、新しいビールを持ってこっちにやってきた。


それを、どうぞって言いながら、おっさん達に渡している。

そしておっさん達の隣に座ると、丁度俺と向かい合うような形になった。



正面からまじまじと見ると、やっぱり綺麗な顔してるよな・・・
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