バンビ
「そんなもんなの?
だって、ビトのうちで二人っきりでいても、何もしてくれないんだよ?
それってどうなのかなーって、たまに不安になるもん。」



「なんだ、チャンスはあるんだ・・・」

そうだよな、あいつは経験あるわけだし、ちゃんと付き合ってんだから、そろそろそういうのもあっても不思議じゃないよな?




「お前から誘えばいいじゃん。」

ちゅーか、俺はそういう女しか知らないから、普通にそう答えてやったら、そんなことできるわけないじゃんって、さらにモモはゆでだこみたいに真っ赤になった。


「やっぱりさ、ビトは私のこと、ただの幼馴染としか思ってないんじゃないかなって、たまに思うの・・・
恋人とか、そういう相手じゃないんだよ・・・」


「そうかな?この前会った時は、そんな感じしなかたけどな。」


もうなんていうか、こいつほんとにモモの事が好きんなんだなーって、見てるだけですぐわかるような感じだったしな。



「好きな女とやりたくねー訳ないし、きっとなにか理由があるんじゃねー?」


そこまで言った後、ふと思いだした。





”初めてのときは、あんまりよくなかったって言ってたよ”





確かそんなこと、レンが言ってたよな、あいつの初体験話のこと。
それがなんか、関係あんのかな?










「でも、ビトはきっと、もう誰かとやってるもん・・・」




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