バンビ
「なに作ってんの?」

エイジのやっていることを、不思議そうに見つめながらそう尋ねた。



「お前の飲めそうな酒作ってんの。」



ハイって渡されたものは、見た目アイスカフェオレにしか見えなくて、ほんとにお酒なの?って思わず疑り深い目で聞いてしまったりして・・・



「コーヒー牛乳だと思って飲んでみれば。」


言われるままに飲んでみたら、そのまんまの味がして、なんだ酒じゃないじゃんって思ったら、ちょっと喉元がかっと熱くなってきた。


「一応酒だから、あんまイッキ飲みすんなよ・・・」

なんていわれる前に、イッキに飲んでしまっていた。



「美味しい!なにこれ?」

「ただの、カルアミルク。」


へえなんて言いながら、調子にのって、なにか他のもあるのなんて、いろいろ聞いたりしていたら、また違うお酒を作ってくれ出した。




「意外とお前、強いんじゃね?」


次に出されたのは、どう見てもオレンジジュースにしか見えなくて、それもなんか甘くて美味しかった。


「俺もなんかのもーっと。」




そう言うと、エイジは缶ビールを持ってきて、僕の前で飲みながらまた新しいカクテルを作ってくれる。



「ねえこれはなんて言うの?」

飲みかけのオレンジジュースのようなやつを指差しながらそうきいた。


「それは、カシスオレンジ。」

「こっちの瓶は?」

「モモのリキュール。こっちは、ヨーグルトストロベリー、そんでこれがチョコレート・・・」


なんか、甘そうな名前がつらつらと出てきて、ちょっと頭がくらくらしたせいか、よく覚えられなかった。



「色々あるんだね・・・」


調子にのって、ドンドン飲んでたら、なんか食べながら飲まないとすぐ回るぞって、適当につまみを用意してくれて、それも食べたりもした。



ああ、こんなジュースみたいなやつなら、僕でも飲めるなーなんて思ったら、なんか無性に楽しくなってきて、綺麗な水色の瓶を手にしながらこれも美味しそうだねーなんて言ってグラスに勝手に入れてみた・・・
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