バンビ
学校についてからは、いつものごとくレンとは別行動で、今日は昼休みもないし、授業が終ってからさっさと一人で帰った。


まだ親父がいたらやだな・・・

そんなことをぼんやり思いながら、駅前のバーガーショップで適当にランチをすませて、家に帰る。




「ああ、お帰りエイジ・・・ご飯食べた?」


母さんが、さっき起きたばかりの格好で、眠そうにそう言った。


「うん、今外で食べてきた・・・
ねえ、親父はまだいるの?」


チラッと寝室の方を気にしながらそう言うと、まだ寝てるよって笑ってコーヒーをついでくれる。


「朝ご飯作ってやったって、ご機嫌だったよ。
レン君も、喜んで食べてたんだってね~♪」


母さんも、なんだか嬉しそうにそんなことをいう。


そんなことが嬉しいのかよ、あの人は。
父親だったら、そんぐらいして当然だろうよ・・・

家は母さんが、稼いでんだから。



「俺、バイトあるから、すぐ出かけるわ・・・」



母さんの入れてくれたコーヒーは、相変わらず美味しくて、そういえばモモが入れてくれたのも美味しかったな・・・なんてぼんやりと想い出していた。
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