バンビ
「ほら、僕の周りってさ、同じ事務所の奴らくらいしかいないし、事務所の奴らってやっぱどっかしらライバルだから、心を許せる奴もいないんだよね。
学校はあんまり行ってないから同級生の友達ってレンぐらいだし。」

「まさか、”友達になって”とか、そういう感じ系?」

ちょっと笑って言ったら、まあそんな感じって照れて言われたので、噴出しそうになった。


「なんか、愛の告白されたみたいだな。」



奴の綺麗な顔で、テレながら言われると、まんざら嫌な気もしなくてお互い目があったとたん声を出して笑った。



「やっぱさ、レンにはモモちゃんのこととか言えないじゃん。
兄弟ってのもあるし、あいつまだチェリーボーイだし・・・」



やっぱ、下のほうの相談なんだなって思ったら、モモにも似たようなこと言われたなって思い出してしまった。



お互い似たようなこと悩んでんだなきっと。



「エイジは、そういうの詳しそうだから、色々聞きたくってさ。」


「まあ、確かにレンよりは知ってるかもな?」






ビトが話す内容は、男子が学校で普通に話してるような内容で、俺もレンぐらいしか普通に話せる同級生とかいなかったから、意外と新鮮だった。



学校にはあまり行ってないみたいだけど、たまに行くと楽しいって話やら、
モモとたまにデートしてる時のこととか、付き合いだした頃のこととか、
なんかやたら嬉しそうだった。

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