バンビ
しばらくすると、シンジさんがお土産を持ってやってきた。



「ああ、レン君久々~♪
これお土産のケーキ、みんなで後で食べよう。」


「きゃーシンちゃん、気がきく~♪おいしそー!?」


女子二人は、ケーキにテンションを上げて、めちゃくちゃ喜んでいた。


ああ、僕もなんか買ってくればよかったな・・・ちょっと後悔したりして・・・



シンジさんは、そういう女心のわかるタイプっぽい。
それは、女性なれしてるって感じではなくて、同姓としてわかってるって感じ?

ぶっちゃけゲイっぽいなって思うこともあるけど、そんなことはないみたいなんで不思議な人。

僕も、いつもモモと一緒だったりするから、女の子のそういうツボがわかるシンジさんのことも、ちょっと理解できる。



この4人でいると、全く色っぽいことは起こらないんだろうな・・・

何となくそんな感じがした。




「なんか飲みますか?」


二人が忙しそうなんで、僕も丁度喉が渇いていたから、先に飲んでようかと思って、シンジさんを誘った。
「僕もあんまり飲めないからなあ~
なにがあるの?」


今日は、男の方が飲めない面子が揃ったっぽい。

さっき買ってきた、ジュースみたいなチューハイを選んで、二人で一足先に乾杯をして飲んだ。






しばらくすると、すっかり準備も出来て、小さ目の机の上にホットプレートがおかれ、机に置ききらない食材が、お盆にのせたまま無造作に畳の上に置かれていく。



「とりあえず、乾杯しよ~♪」


ミヤコさんがそういって、ビールのロング缶をカオリさんにもわたして、4人で改めて乾杯をした。


まだ日も落ちきっていない夕方頃だってのに、なんかこういうのも悪くないなーって思ったりして。


美味しそうにビールを飲む女子二人をみていると、こっちまで楽しくなってくるな。





カオリさんは、手際よく次々と焼肉やら野菜やらを焼いてくれる。

いつのまにか、机の上には、それ以外のお惣菜なんかも出来ていて、いつのまに作ったんだろう?って感じ。

なんかホント、うちの母さんみたいだなってまた思ったりして。
< 76 / 266 >

この作品をシェア

pagetop