もしも、世界が美しかったら



「3年間一緒に過ごし、たくさんの思い出があるた友達たちに、」

体育館内にいる3年が、ワァァと夏琅に手を降り、夏琅もよく見せる人当たりの良い笑顔で振り返した。


「どんなに辛い練習も一緒に乗り越え、一緒にガンバってきたサッカー部の仲間たちに、」

今度はサッカー部の人たちが、
夏琅ーっ!!って叫んだので、
夏琅はサッカーをしているときの子どもっぽい笑顔でVサインを作った。



「…いつもバカな事ばっかして、たまにケンカもしたけど、一緒にいるのが楽しくて幸せだった。本当に大切人たちに、」

「しっかり者なのに意外と泣き虫なホント可愛い、俺が世界で一番愛しくて大好きな人に、」

そう言った夏琅はこちらを見た。

笑った顔、怒った顔、すねた顔、照れた顔、にやけたあほ面から
真剣な眼差しまで、今までたくさん見てきた夏琅の表情。


でも、今の表情は見たことない。

笑ってる。だけど、泣きそうな。

温かくて優しい、だけど、儚い。

夏琅はそんな顔をしていた。



「言葉にすると伝えきれないので俺は俺なりのカタチで、感謝の気持ちを伝えたいと思います。

聞いてください」











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