もしも、世界が美しかったら



普段は何で何でと子供みたいに理由を知りたがるが、流れできたこういう質問には何で?とか理由をたずねてこないから楽だ。

…単に俺が知りたいだけだし。


「由輝ちゃん」

「は?」

「由輝ちゃんが一番スキ」

「………………」

顔には出さないがショック。

由輝かよ……。

つか、この双子…相思相愛??


「えー……。でも愛輝さ、今由輝とケンカしてんじゃんか」

「それでも由輝ちゃんがスキ」

キッパリと答える愛輝。

あぁ…そういやコイツは昔から
こんなんだった。

ため息をつき、ガックリと効果音と共に首をおとす。


「りく!りく!」

「…なに?」

「利玖もダイスキだよ!」

「……っ」

今度はパァという効果音と共に顔を上げた。

単純な俺………。

ニパッと笑う愛輝と目が合う。


「由輝ちゃんの次にね!」

「………………」

再びガックリと首をおとす。

さっきのトキメキを返して……。

つか、そろいもそろって同じこと言わないで…。


いつまで経っても、やっぱり俺は由輝には勝てないようだ。

でも…ダイスキって言われたのは

素直に嬉しい。













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