もしも、世界が美しかったら




ノックをして病室に入ると、すでに來と花梨がいた。

「あれ?涼介は?」

「部活。後で来れたら来るって
言ってた」

「ふーん」

ま、涼介だって部活やってる身だもんな。



「なぁ、利玖…」

「あー?」

「何でんなニヤケてんの?」

「うえっ!?マジ!?」

全然、気づかなかった!

愛輝は花梨とトイレ&買い出しに行ったので、俺は夏琅と來に来る途中の話をした。


「ダイスキ、ね……」

「それ、絶対恋愛対象として思ってねーじゃん」

「しかも、恋愛対象としてじゃなくても由輝に負けてるしね……」

「うるせー!!」

自分たちが付き合ってるからってホントのことばかりズバズバ言いやがって!

このカップルより、花梨にノロケりゃ良かった……。

花梨なら「良かったね」くらいは言ってくれるだろーに。


「つーかさ、愛輝ってホンッットお兄ちゃんっ子だよな」

「確かに……」

「アイツは昔からだよ……」

幼いころから由輝にベッタリで…由輝の姿が見えないとピーピー泣いてたっけ。

人見知りはしないんだけど、やっぱ由輝いないとダメ、みたいな?

「そうそういやさ……。」

「なになに?」






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