もしも、世界が美しかったら

―花梨side―




ザァァアアア…


「うわ!すんごい雨っ」

6限目の数学の時間。

愛輝の言葉で窓の外を見た。

さっきまであんなに晴れていたのに、いつの間にか空は暗くて土砂降りだ。


「げー…今日、外練だからムリじゃん!」

隣の席の由輝が頬杖をつきながら苦い顔で外を見る。

今日は朝練もなかったみたいだから、バスケバカの由輝には体を動かせないのは辛いみたい。


「雨降ったから俺らも、今日は部活休みだなー」

「おー」

サッカー部の夏琅と涼介。

2人も雨が降ってきた影響で、部活は休みになるみたい。


傘、持ってないから直ぐに止めばいいけど………。

そう思いながら私は問題を解いた。





「今日さ、部活もないし俺ン家で遊ぼーぜ♪」

放課後、提案したのは涼介。


「お、良いねぇ!」

「行く行く〜」

みんな涼介の提案に賛成する。

もちろん私も………って、あ。


「ごめん。私、今日ちょっと残らないと…」

「えー!何で!?」

私が言うと、愛輝が頬を膨らました。

「ちょっと…勉強を、ね?」

テストが近づいてきたので、分からないところを今のうちに先生に聞いておきたい。







< 14 / 244 >

この作品をシェア

pagetop