もしも、世界が美しかったら
―花梨side―
ザァァアアア…
「うわ!すんごい雨っ」
6限目の数学の時間。
愛輝の言葉で窓の外を見た。
さっきまであんなに晴れていたのに、いつの間にか空は暗くて土砂降りだ。
「げー…今日、外練だからムリじゃん!」
隣の席の由輝が頬杖をつきながら苦い顔で外を見る。
今日は朝練もなかったみたいだから、バスケバカの由輝には体を動かせないのは辛いみたい。
「雨降ったから俺らも、今日は部活休みだなー」
「おー」
サッカー部の夏琅と涼介。
2人も雨が降ってきた影響で、部活は休みになるみたい。
傘、持ってないから直ぐに止めばいいけど………。
そう思いながら私は問題を解いた。
「今日さ、部活もないし俺ン家で遊ぼーぜ♪」
放課後、提案したのは涼介。
「お、良いねぇ!」
「行く行く〜」
みんな涼介の提案に賛成する。
もちろん私も………って、あ。
「ごめん。私、今日ちょっと残らないと…」
「えー!何で!?」
私が言うと、愛輝が頬を膨らました。
「ちょっと…勉強を、ね?」
テストが近づいてきたので、分からないところを今のうちに先生に聞いておきたい。