もしも、世界が美しかったら
授業を受けているとこも、
弁当を食べてるとこも、
サッカーしてるとこも、
喧嘩しているとこも、
バカしているとこも、
サボっているとこも、
キスしてるとこも、
遊んでるとこも、
泣いた日も、笑った日も、
幸せだと心から思った日も、
全部全部、頭ん中を駆け巡る。
二度とみんなには逢えないけど…
俺の人生はここで終わるけど…
確かに俺はココに存在いた。
最高の仲間たちと出会えた。
もう………それだけで十分だよ。
18年の短い人生だったけど、
崎本夏琅は本当に幸せでした。
俺はゆっくりと歩き出す。
思い出を1つ1つ思い出したながら…ゆっくりと進んでいく。
意外にも心は酷く穏やかだった。
人生最大の後悔より、人生最大の幸せの方が大きかったから…。
それでも1つだけ心残りなこと。
それは來のこと。
世界で一番、愛しい人。
(できれば俺の手で、)
(幸せにしてやりたかったなぁ…)
それでも足は止まらない。
ゆっくりと確実に進んで行く。
何かに引き寄せられる様に…。
「夏琅っ!!」
名前を呼ばれると同時に、腕を掴まれた。