もしも、世界が美しかったら
ガラガラガラ…
不意に扉が開く音が聞こえた。
先生だろうと、私は顔を上げずノートを書いた。
「なにしてんの?」
不意に聞こえた声に私は顔を上げた。
綺麗な金色の髪、整った顔立ち。
右耳に輝く紅いピアス、細身で高い身長に着崩された制服。
そこに立っていたのは、同じクラスの“碓水 玲(ウスイ レイ)”君。
「テスト前だから…勉強を」
クラスメートだけど、話したのは今が初めて。
彼はめったに学校には来ないし、来ても誰とも関わらない一匹狼的な存在。
でも、顔はカッコイイからたまに学校に来れば女のコ達が騒いでいる。
本人は迷惑そうだけど。
「ふーん」
そんな彼が私なんかに何かようがあるのだろうか?
と、思っていると
碓水君は私の前の席に座った。
な、何…?
素直な疑問を抱いてると…
「ここ、間違えてる」
ノートを指差された。
「え?本当?」
差された問題を見てみる。
あ…これ、苦手なんだよね。
「うん。これ、見た目はややこしいけど…こーやって、この方式を使えば」
「!!本当だ」
さっきまではわからなかったのに簡単に解けてしまった。