もしも、世界が美しかったら
―――――…ろ、なつろ……っ
この声は………。
「じゃあな、夏琅」
「え、あ?オイッ!!」
光の中に消えて行く由輝。
「サヨナラは言わねー」
たかが…夢、なのに俺は思わず
手を伸ばした。名前を呼んだ。
(このままじゃ、)
(また後悔するような気がして)
「 」
微かに由輝の口が動いた。
「――――……えっ、?」
まぶしくて思わず目を閉じた。
視界から………由輝が消えた。
「夏琅………!!!」
目を開けると、そこには―……
大切な大切な仲間たち。
「良かっ……良かったぁ…」
そう言って涙を流す來。
そんな來につられて部屋にいた
愛輝、利玖、花梨、涼介も泣き出した。
泣くなって、そう言いたいけど
言葉がでない。
……つーか、何で泣いてんだよ。
ちょっと気ィ失っただけなのに。
まぁ…心配してくれたんだよな。
酸素マスクが付けられていて喋ることも出来ないので、心の中で心配かけてごめん、と謝った。
しばらくして、看護婦さんに酸素マスクを外してもらった。
「先生呼んできますね」と言って部屋を出ていく。