もしも、世界が美しかったら
―――――――――――…………
時が止まった。
來も花梨も涼介も動きが止まる。
みんな…信じれない、と言うかの様に大きく目を開いた。
「な…に…言って………」
「…可笑しいと思わなかったか?時間的に考えると由輝が事故にあってすぐに、夏琅のドナーが見つかったんだぞ?」
利玖の言葉に何も言えない。
ふ、と…夢の中で由輝に言われたコトバが脳裏に浮かんだ。
―――お前は生きろ。
―――辛くても苦しくても生きて
絶対に生きて生きて生きて……
みんなで幸せになってくれ…っ
しばらく間を置いてから、花梨と來が口を開いた。
「でも…っ、でも…信じられないよ!…いきなりそんなこと、言われても………」
「そうだよ…きっと何かの間違」
「俺だって信じれねぇよ!!」
利玖の悲痛な怒鳴り声が響く。
「俺だって………ッッ…」
そう言って利玖はその場にしゃがみ込んだ。
……………あぁ、何で俺は気づかなかったんだよ?
夢じゃない。
あれは夢なんかじゃない…っ。
―――俺の精神世界だったんだ。