もしも、世界が美しかったら



「ねー、碓水」

「………。」

「ねー、ねー、碓水ー」

「………………。」

あの日から毎日毎日毎日毎日…、相原は別校舎の屋上に現れる。

なんだよ、コイツらの溜り場は本校舎の屋上が教室だろ?

俺は一人になりたくて此処に来てんのに………何で来るんだよ。

「う〜す〜い〜〜〜〜っ」

「……んだよ。うっせぇな」

―――でも、なんだかんだ言って毎日コイツの相手をしてる俺。

「私たちさ友達でしょー?」

「……は?」

「だから、そろそろお互いに名前呼びにしない!?」

「はぁ??」

意味わかんねぇ………。

俺がお前といつ友達になった?

………確かに、何か色々お互いにお互いの事を知ってしまったし。

ホントあり得ねぇ事も、何度かあったけど……!

前より話す回数が増えただけだ。

名前呼びするほど親しくなった覚えは全くない。


「俺、お前と友達じゃないから」

それだけ言ってコンクリートの上に寝転ぶ。

日陰のコンクリートはひんやりと冷たくて心地よい。

空を見上げれば、相原がぶーっと頬を膨らますのが視界に入った。


「………なぁ、なんでお前は俺に関わろうとすんの?」






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