もしも、世界が美しかったら
「へ?」
隣に足を伸ばして座っている相原は俺を見下ろす。
「俺の過去を知って同情した?」
パチパチと数回瞬きをしたあと…相原は一言。
「同情ってナニ?」
「は?」
「だから!同情ってナニ??」
相原はからかってるんじゃなくて本気で分かってなさそうだ。
「んー、と……何とかしてあげたい!とか…助けてあげたい!とか………可哀想、って思うとか」
碓水は可哀想だから私が隣にいてあげる!とか、そんなアリガタメイワク極まりない女は今までだって沢山いた。
そんな安い同情なんていらない。
「私……碓水のこと可哀想なんて一度も思ったことないよ?」
心底不思議そうに言う相原。
「っ、」
「確かに、碓水は大切な人を失ったし…………いっつも独りだし、寂しいヤツだし」
オマケに出席日数が足りなくて退学になりそうだし、って続ける
相原にちょっと殺意を覚える。
後半…絶対に馬鹿にしてるだろ?
「でも、可哀想なんて思ったことはないよ」
だって可哀想って…自分じゃなくて良かったって意味でしょ?
「――――……」
可哀想だ可哀想だって心配しながら………………………