もしも、世界が美しかったら



そう言って相原は子どもみたいに無邪気な笑顔を見せた。

……………よく言うよ。

お前は俺の笑ったとこなんて見たことねぇくせに…………。

でも…………その笑顔が一瞬だけ小晴と重なった。

「……………俺と友達になって、回りに自慢でもしたいわけ?」

それでも…俺はまだ、この笑顔を信じれないでいる。

(どこまでも可哀想な俺の性格)

「うんっ!」

余りにも真っ直ぐなに、俺は思わず眉間にシワを寄せる。

そんな俺を気にせず相原は、澄みわたる空に手をかざした。

つられる様に空を見上げる。

「まずねー、碓水に勉強教えてほしい!…で、利玖に私はやればできる子なんだよって自慢する!」

そう言って空にかざした右手の親指を折り曲げた。

「あと、バスケできるならバスケ教えてほしい!んで、由輝ちゃんに私だってガンバればできるんだって自慢するッ」

今度は人差し指を折り曲げる。

「…………教えて欲しいことばっかじゃねぇか」

「ちがうー!」

「どうだかな。」

もう、とふてくされる相原。

「碓水さ…夏休み私の家に来た時に言ったよね?」

大切な人を失った時の悲しみは半端ねぇよな。






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