もしも、世界が美しかったら
―――玲…幸せになれよ?
想い出の中の小晴は、はにかみ笑顔で言う。
何時でも俺の心を照らしてくれた………太陽の様な笑顔で。
小晴………。
――――ありがとな。
時間はかり過ぎたけど、
お前の気持ちは俺に届きました。
俺は空を見上げ手をかざす。
「絶対に幸せになるから……」
その手を力強く握り締めた。
空が青いことを忘れていたよ。
小晴が死んだあの日から、
俺はずっとしゃがみこんでいた。
怖くて、辛くて、寂しくて。
でも……………
“過去を癒し、未来に幸福を”
………今、俺は再び歩き出す。
俺は屋上を飛び出した。
校舎の階段を駆け降りる。
そして………、
裏庭で見つけた背中に叫んだ。
「…………愛輝!!」
振り向いた相原は目を大きくして驚いたって顔をしていた。
「碓氷……。どうしたの?」
荒くなる呼吸をなんとか整え相原に歩み寄る。
「ありがとな。」
「へ…っ?」
「俺…これからはちゃんと生きていこうと思う。」
天国から見守ってくれている
小晴のためにも………。
「それから自分のためにもね!」
そう言って相原は満面の笑みを浮かべた。