もしも、世界が美しかったら
それでも俺らは歩き続ける。
俺らはその強さを持っている。
支えてくれる仲間がいるから。
だから強く生きていける。
そんな仲間と逢えた世界に感謝。
そんな仲間にありがとう。”
これは由輝が書いた詞。
「俺な、……このままじゃダメな気ィする。」
夏琅が小さな声で言った。
「由輝が俺らに望んでるのは、
過去や仲間を支えにこれからも
歩き続ける事だと思う……。
……でも、今の俺らはどうだよ?過去に囚われ前なんて見てない。立ち上がろうとすらしない。」
「…………まだ無理だろ。
あれからまだ1ヵ月も立ってないんだぞ?」
夏琅の言葉に涼介が反論。
そんな二人をみかねた利玖が口を開いた。
「じゃあさ、やっぱり秋祭りでは……由輝への気持ちを唄った歌を歌わねぇ?」
「え?」
「夏琅の言うことはもっともだけど、涼介の言うことも分かる。
でも、由輝に心配かけたくないって気持ちはみんな同じはずだ。
じゃあ、その気持ちを歌にして
由輝に届けねぇ?」
「………それ、良いと思う!」
歌にすれば由輝に届くと思った。
それに……一緒に歌えなくても、これなら由輝も寂しくないかなって思った。