もしも、世界が美しかったら
「で?どうするの?」
学校から出て近くの駅まで歩いている途中…いきなり來が話を変えた。
「何が?」
「何がって…そんなにびしょびしょじゃ、電車乗れないでしょ?」
「「あ」」
俺、由輝、利玖、愛輝の声がはもる。
水溜まりに突っ込んだだけに、制服はぐっしょりとしている。
確かに。
これで公共の乗り物に乗るのは、良くない……よな。
「仕方ない…。歩いて帰るか」
「だな…。」
学校から俺の家は歩いて30分くらい。
まぁ…頑張れば歩いて帰れない距離でもない。
「そ、じゃあ頑張ればよ」
俺たちとは逆の道…駅の方へ歩いていく夏琅と來と花梨。
「ちょ!お前ら何処へ行く!?」
利玖が行かすまいと、がっちり夏琅の腕を掴む。
「え?だって俺らは濡れてないから、電車乗れるし?」
「先に涼介の家行っておくね?」
「現地集合ってことで」
「「マジかよ!!!」」
淡々と話す夏琅たちに思わずつっこむ。
「俺ら運命共同体だろ!??」
「いやいや。つか、くっつくな!俺まで濡れるだろ!」
「濡れろー!!!」
そして数分の話し合いの結果…。