もしも、世界が美しかったら
「やっぱり持つべきものは友達だあー♪♪」
全員で歩いて帰ることになった。
決め手は由輝の
「つか…お前が先に行っても、どっちみち涼介が帰ってくるまで家には入れねぇじゃん」の一言。
さすが由輝。口が上手いことで。
それにしても…制服がべったりと体にくっついて、気持ち悪い。
おまけに泥水だし。
「本当、高校生にもなって水遊びって…」
隣で呆れている花梨。
「るせー。それより、そのジュースどうしたんだよ?」
俺が指差したのは、花梨の手に握られている林檎ジュース。
「え?あぁ…これね、」
少し花梨の頬が赤くなった気がした。
……なんだ?
「碓水君がくれたんだ…」
花梨の口から出てきたのは、以外な人物の名前。
「碓水って…あの碓水?」
「うん!同じクラスの!」
碓水って言えば不良で有名な奴。
普段は学校にも来ないし、来ても誰とも関わらない。
悪い奴ではないと思うけど、よくわかんねぇ奴。
「あのね、碓水君が勉強教えてくれたの!それでね、頑張ってるからってジュースくれたんだ。」
照れ臭そうに笑う花梨。
花梨に勉強教えるって、どんだけ頭良いんだよ…。