もしも、世界が美しかったら



「由輝…お前…………シスコンだったのか?」

「え、今さら?」

由輝に代わり利玖が答えた。

「由輝って昔からすっげぇシスコンなの!もー本当すごいから!」

………由輝がシスコンってヤだ。

何かイメージ崩れる。

じゃあさ、じゃあさ…愛輝がいつも由輝ちゃーん!つって飛び付いてるけど由輝も満更じゃないってことデスカ?

「だから有る意味、由輝が一番のライバルだったりする。まる。」

「超強敵だな〜〜〜っ」

パタンとテーブルに突っ伏す利玖と、ケラケラと笑う夏琅。


「それよか、涼介はどうな訳?」

「えー…俺?」

由輝が尋ねてくる。

―――私、碓水くんのこと……


「うわー……っ」

何て奇声を上げて、俺も利玖みたいにテーブルに突っ伏す。

「なに?何かあったか?」

何も無いわけじゃない。

でも、花梨が「みんなには自分で碓水が好きだと言う」って言ってたからなー。

勝手に言わない方が良いよな。

「別にー…。久しぶり花梨の手料理を食べたいなって」

「手料理、食った事あんの?」

「あるよ」

花梨は料理も上手い。

一人暮らしを始めてからは、たまに作りに来てくれる。








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