もしも、世界が美しかったら
『さて、今日の1位はうお座のあなただぴょん!
思わぬ出来事で、ラッキーなことに繋るかも!?
ラッキーカラーはピンクだぴょーーん』
………なんなんだ?
このわけわかんねーキャラは。
冷めた目でテレビをながめる。
「うお座って私ぢゃん!?
由輝ちゃん!!
何かピンクの物ってないっ!?ハンカチとか!」
「あるわけねーだろ」
つか、俺がピンクのハンカチ持ってるのも嫌だろ。
あ、ちなみに俺ら双子だから俺もうお座ね?
占いとか信じないから、関係ないけど。
「ごちそうさま!」
食べ終わると同時にバタバタと
ピンクの物を探しに行った愛輝を横目に俺はカフェオレを飲んだ。
ピンポーンピンポーンピンポーン………ガチャ
たいしておもしろくもないテレビを見ていると、インターフォンが鳴った。
無視していると扉が開く音が聞こえる。
この家の人に許可なく入ってくるのは………
「おーい、愛輝。準備できたか?」
お隣の幼なじみ、葛城利玖(カツラギ リク)だけだ。
「あり?由輝?朝練はねーの?」
「んー…今日は無し!」
「へー。んぢゃ、久しぶりに一緒に行くか!」