もしも、世界が美しかったら
その姿はあまりにも町中とは合ってなくて……思わず笑いそうになるのを必死に堪える。
「テメェ…さっさと答えろよ」
「碓水玲かって聞いてんだ」
ギロッと睨んでくるヤンキーに対して「そうだけど?」と、俺は真顔で答える。
すると言い終わるか否か、鋭い拳で思いっきり頬を殴られた。
「っぐ………」
いきなりの攻撃に防御がとれず、俺は軽く吹っ飛ぶ。
町中のため…この時間帯は人はたくさん居るからキャア!と、周りから悲鳴が聞こえた。
しかし、直ぐに起き上がり相手を睨みつけた。
「あ〜っ!ちょっとダメじゃん!玲のキレイなお顔を傷つけちゃ」
バカデカイ男の中から一人、俺より小さい細身の体型の男が出てきた。
その男は回りにいる昔のなヤンキー達とは違い、今どきの髪型で…茶髪にピアス、ヤンキーと言うよりチャラ男の方が正しい。
「大丈夫ー?」
そいつはニコッと笑って俺に手を差し出す。
―――――そして一言……。
「久しぶりだね、玲!」
俺は……いや、俺たちは近くのファミレスに入った。
俺たちっつーのは…さっきの男と古風なヤンキー達のこと。
「で、何の用だよ?」