もしも、世界が美しかったら
「で、何の用だよ?」
いらだちながら舌を鳴らして、
再び同じ質問をする。
「えーと…あ、そこお姉さーん!ショートケーキとチョコムースと焼きプリン追加してくださーい」
「どんだけ食うんだ……」
理人は食べだす中々話さないのは分かっているから、俺はポケットから出したタバコに火を付ける。
「玲こそ何か食べないの?」
「腹減ってねぇし」
「ちゃんと食べないと〜。相変わらず細っちい体してんね」
「うっせぇ。食べてもデカクなんねぇお前に言われたくねーよ。」
「そうだね」っと言いながらも、理人の手は止まらない。
みるみる消えていく(見ているこっちが気分が悪くなりそうなくらい)大量のスイーツたち。
俺は理人越しに外の景色を見ながら煙を吐く。
…何で俺コイツらと一緒に仲良くファミレスなんか来てんだよ。
隣の席で子どもみたいに騒いで遊ぶデカイヤンキー達を見てため息が出る。
「ねー、玲……。」
「あ?」
「なーんで一人だけ別の高校行っちゃったのさ??」
「っ、」
俺は思わず理人を見た。
さっきまでの愛想良いニコニコ笑いとは違う――…笑ってるけど目が全く笑っていない。