もしも、世界が美しかったら
―愛輝side―
「はぁー……」
夜の道を傘をさしてつくため息は本日、何度目のため息になることやら…。
そもそも何でこんな事になったかと言うと…。
時間は30分程度前にまで、さかのぼる。
―――――
―――
―
今日は利玖のお母さんこと、舞子ちゃんの帰りが遅いとかで、夜ご飯を食べに来ていた利玖。
ご飯も食べ終わり、由輝ちゃんは風呂へ。
私と利玖はソファーでくつろぎながらテレビを見ていた。
「あれ?愛輝ー、アイスは?」
「アイス?知んない」
風呂から上がってきた由輝ちゃんは、キッチンにある冷蔵庫をあさったが…どうやらお目当てのアイスが無かったらしい。
「なー、アイス食いたくね?」
「別に…」
アイスよりテレビが気になる私。
「じゃんけん負けたヤツが全員分のアイス買いにコンビニまで行こーぜ!」
…コイツは何を言い出すんだ。
外は雨降ってるし、別に私そんなにアイス食べたくないし…。
「よし!その話、乗った!」
おい、利玖!テレビはいいのか!
「おっ!さすが利玖♪」
「そうと決まればじゃんけんな!愛輝!」
「えー。私も?」