もしも、世界が美しかったら



俺には全部、必要ないものだ。

1人で行きていく俺には知らなくて良いものだ。


――ちゃんと…病院行くのよ?

不意に明美さんに言われた言葉を思い出した。

何であの人は、他人の俺にここまでしてくれるのだろう?

相原妹だって、何で俺を助けたのだろう?

相原兄や葛城だって…。

俺には全く理解できなかった。



とにかく病院には……行かない。

注射が痛いとか、薬が苦いとかじゃなくて…

もっと違う、別の理由で病院が嫌いだ。


―――病院には俺の実の父親がいるから

結局、行くとこもない俺はいつもの様にふらふらと歩いていたがイライラするだけなので、気晴らしになるかと思い学校へむかった。





―――ガラガラ

休み時間だったため、入りやすい空気だった。

自分の席に座ると、クラスの奴らがチラチラと俺の方を見ている。

やっぱり帰ろうかな…。

教室に入ってから1分でそう思って立ち上がると…


「……もう授業始まるよ?」

並木が話かけてきた。

「……怪我したの?大丈夫?」








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