もしも、世界が美しかったら
「退け、碓水」
先頭の小田が睨んでくる。
基本的に良くは思われていない俺だが…
コイツは異様なくらいに俺の事を嫌っているみたいだ。
…そりゃそうか。
俺がいなかったら、喧嘩でトップ取れんだもんな。
「お前が退けよ。邪魔だカス」
「テメェ…。調子乗んのも大概にしねーと、その女みたいなおキレイな顔、ボコボ」
―――バキィッ!
イライラしていた俺は、小田が話し終わる前に、左頬を思いっきり殴ってやった。
「何すんだ!!コラァ!!!」
殴りかかって来る不良集団。
廊下に響く怒鳴り声と悲鳴。
腹の傷が開いたのか、はんぱない痛みが走る。
それでも俺は暴れ続けた。
目の前の奴らを殴り続けた。
後で思えば…こんなのただの八つ当たりだ。
「何をしている!!?」
「やめなさい!!」
休み時間という事もあり俺たちは直ぐに取り押さえられた。
何でこんなにイライラするのか…
何でこんな思いになるのか…
何もワカラナイ。
そして俺はまた学校に行かなくなったのは言うまでもない。
やっぱり俺には
1人がお似合いみたいだ。