もしも、世界が美しかったら
【三章】君と愛唄
―來side―
そろそろ衣替えの季節…。
長袖だった制服から、半袖へと変わる。
半袖の制服を着るのは、これが最後だと思うと、少し寂しい。
私たちは相変わらず、楽しく毎日を過ごしていた。
「ゔー……」
授業中…。
隣の席の夏琅を見てみれば、ぐったりと机に突っ伏していた。
「夏琅…どうしたの?」
小声で夏琅に聞いてみる。
「しんどい。」
「…大丈夫?風邪?」
「んー…まぁ。最近ずっと体がダルいんだよな」
「あんまりしんどいなら、病院行くんだよ?」
「ほーい」
そう言って寝だす夏琅。
最近、急に暑くなってきたから、風邪かな?って思った。
それか…ただの寝不足?
そんな感じで私は深く考えていなかった。
少なくとも、この時は。
「夏休みにさ!みんなでどっか旅行行こうぜ〜♪」
休み時間。
次は体育なので男女別の授業なんだけど、共にグランドなので7人で移動している。
いつもの様に話していると、利玖がいきなり言い出した。
「夏休みって…気が早いなぁ。」
「それに、夏休み前に期末テストが待ってるよ?」
涼介と花梨が冷静に言う。