もしも、世界が美しかったら
「さっき起きたんだって。2限目には来るんじゃない?」
「夏琅の家、遠いもんねー」
「寂しい?」
愛輝の次に口を開いたのは涼介で愛輝同様にんまりと笑っている。
「べっつにー」
「昨日、デートしたもんね?」
「えっ!花梨、知ってるの!?」
あせりだす來に花梨は楽しそうにクスクスと笑う。
「誰が見ているか分からないのに道端で大胆なことするよね」
「え?大胆なことって何っ?」
子どもの愛輝は興味津々の様だ。
「何って……ナニ?」
「は???」
利玖の発言に愛輝は「訳わっかんねーー」と眉を潜めた。
「愛輝ってばガキ!ナニってそりゃ…セ」
「朝っぱらから何言ってんだ」
クラスメートもたくさんいる朝の教室には、あまりにも不似合いの言葉を言いかける利玖の頭を殴る。
「何ってナニ」
「黙れ。それはさっき聞いた」
「も〜〜」
俺と利玖の会話に花梨は顔を真っ赤にしてうつ向いているし、愛輝は意味が分からないのかキョトンとしている。
涼介と來は呆れてるし……。