もしも、世界が美しかったら



旅行かぁ……。


んー…っと考えていると、

「「行こ!!旅行っ」」とハモった声が聞こえた。

キラッキラに目を輝かせた夏琅と愛輝だ。

すっかり元気な夏琅。

さっきのくだりは必要だったのだろうか?

少しでも心配した私がバカみたいじゃないっ!


「さすが夏琅と愛輝!!
ノリの良さはサイコーだんな!」

利玖はグッと親指を立てた。


「予定が合うなら、俺は思い出で作りがてらに行っても良いと思うけど……來は?」

愛輝の双子の片割れ、由輝が口を開く。


「私?私はー…」

自然と足が止まった。

不意にみんなの視線が刺さる。


「行きたいな」

高校生活、最後の夏休み。

みんなと過ごせる最後の夏。

部活とか受験とか、いろいろあるけど……

やっぱりみんなで思い出も作りたい。


「じゃあ、行くなら夏だしやっぱ海だろ!!」

「川も良くない??」

「バーベキューも♪」

「花火忘れてるよ、花火っ」

「テーマパークでも楽しそうじゃねっ!?」


いろんな案を出しながら、盛り上げ面々。







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