もしも、世界が美しかったら
「実は、心臓の病気で……。
寿命はあと二ヶ月っていわれた」
「「……ッッ!!」
覚悟はしていたと思うけど実際に聞くとやはりキツイらしい。
みんな、辛そうに目を伏せた。
「助からない、の?」
涙声の花梨が聞く。
「今の医療技術じゃ……まず、助からないって」
ぎゅっと目をつむる夏琅。
「う、そ……でしょ?」
「ごめん」
夏琅の手をにぎる來。
その手をにぎりかえし、うつむく夏琅。
「じゃあ……ッ…、夏琅は…死んじゃ、う、の…っ??」
ボロボロと泣きながら俺の服の袖を引っ張る愛輝。
「そんなの……っ」
顔を手で隠し、涙を流す花梨。
「…っ、なんで…なんで夏琅なんだよ…?」
荒く目をこする利玖。
「…………っっ」
何も言わず、ただ悔しそうな顔をする涼介。
「今まで………ありがと、な」
笑ってるけど、泣きそうな夏琅。
泣き声だけが響く病室。
………が、來が口を開いた。
「そんなこと……言わないで」
「え?」
「諦めないでよ、夏琅…」
「…………」
「生きてるかぎり………希望はあるんだから」
「……っっ」