もしも、世界が美しかったら
―來side―
あの日から、夏琅の病気のことを知ってから3日が過ぎた。
部活に入ってない私は毎日お見舞いに病院へ行っていた。
部活に入ってないのは、愛輝も利玖も花梨もだけど………
花梨は委員会があるし、愛輝と
利玖は2人で仲良くカラオケだの買い物だの行くんだって。
買い物は夜ごはんの買い出しーとか言ってたけど、カラオケは今じゃなくて良くないっ!?
そのことを夏琅にグチれば、
「來とイチャイチャできるからいいしー」って言って、病室なのにも関わらずキスされた。
嫌じゃないけど、恥ずかしい!!
小さい子やお年よりだっているんだし……。
そして、昨日退院した夏琅は今日から学校に来ている。
今まで、夏琅が学校に来るなんて当たり前だったのに、凄く凄く…幸せな気持ちだった。
夏琅の病気のことは、昨日先生がHRの時に言ってた。
泣いてる子もいたけど、最後は
みんなで夏琅を支えようって話になって終わった。
ほら、夏琅……。
みんな受け止めてくれるからね?
屋上のフェンスに手をつくとガシャンと音がなった。
私は今、授業にも出ないで1人で屋上から空を見ている。