もしも、世界が美しかったら


いろいろ考えごと。っと言えば、授業をサボっている言い訳になるんだろうな…。


「らーいっ」

「わっ」

誰かが走って来たかと思うと、
いきなり腕を組まれた。


「…夏琅?」

あれ?でも今、微かにいつも夏琅がつけてる香水と違う、もと匂いがしたような…?気のせいかな?

夏琅は返事の変わりに、軽く私の頬にキスをした。


こ・ん・な・場所でー!!!


恥ずかしさあまり、ひっぱたいてやろうかと思ったけど…………

こんな生活もあと2ヶ月かもしれないと思うと何も言えない。



「來……?」

するっと絡んでいた手を離し、
不思議そうな表情をして私の顔を覗き込む夏琅。


「なぁ、來。俺…あと二ヶ月で死んじゃうかもしれないけど……」

「………っ。だから死ぬなんて言わないでよ」




“夏琅は生きるんだから”


言いたいけど、そんな確かでもない無責任なこと言えないかった。


「ごめん…。でも、聞いて?」

「…なに?」

できるだけ…できるだけ優しい声で聞いた。



「あの…今まで通り普通に接してほしい、んだ。」

「え、今の………普通じゃなかった?」

夏琅の言葉に首を傾げる。







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