love wars ~初恋~
恋?

渡辺柚奈。
高校3年生。
初恋すら知らない。

だから、まだ恋を知らなかった。

だって興味すらなかったから。

部活とバイト。

この二つさえあればいい。

恋をしなくたって

生きていける。

部活は・・・

あたしの中では3番目に大事。

1はバイト、お金

2は家族、友達

3は部活。

これさえあればいいんだ。

「吉見ーっ」
「なにー?」
「あんたのチューバのロータリーやばいよ。
なんか漏れてくる。」
「あー知ってる。こんど修理出すんだけどさぁー
なかなか楽器屋さん、こないんだよねー」
「あたしのユーフォ、ピストンやばいんだけどー
オイル、縫っても塗っても沈む。」
「・・・洗え。」

今の会話でわかったでしょう?

あたしは吹奏楽。
ユーフォニアム担当
bassパート。

みんな夏のコンクールに向けて
もう特訓中。
文化部なのに肺活量を鍛えるために
校庭を走ったり。

キツイけどやりがいはある。
結構楽しい。

「吉見ー」
「なにー?」
「楽器屋さん、来たよっ」
「マジで?」

吉見と急いで職員室へ向かう。
外からあの太い男が見える。
あれは絶対楽器屋さん!

「徳チャーんっ」
「あだ名で呼ばない!で?何?」
「楽器屋さん来た?」
「来てないわよ?てゆうか、今日来ないし」
「そうなの?」
「ゆずのはやとちり」
「ごめん」

そんな日常。

楽しい。

ってかいつ楽器屋さん来るんだろう?

「明日なら来るよ」
「ほんと?」
「嘘ついてどうするのよ」
「はは」

よかった。
ユーフォ診てもらおっ!
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