実話〜頭文字(initial)─K─



飲酒運転は御法度。
その位の常識はKさんだってわきまえています。


自販機で買った缶ビールは勿論、家に持って帰ってからゆっくりと飲む為の物でした。


千円札を自販機に投入し、500ミリリットルの缶ビールを2本買ったKさん。




ところがです!






プシュッ!




「あ…………」




これはいわゆる、条件反射というものでしょう……Kさんは自分でも意識しないままに、手に取った缶ビールの栓を開けてしまったのです。


「ヤバイ!うっかり開けちまった!」


眉間に皺を寄せ、栓の開けられた缶ビールをじっと見つめるKさん。



「どうすんだよ……これ……」



あいにく、Kさんの愛車《サニートラック》にはカップホルダーなどという気の効いたモノは付いていませんでした。



< 15 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop